ゴルフスイングで、意見が分かれる理論の一つに、「体重移動」がある。ある理論では、ダウンスイング開始とともに左足に体重移動する、という。またある別の理論では、体重移動は不要、という。
どちらが正しいのだろう。
体重移動の真実を解き明かす。
背骨中心の回転が基本
ゴルフスイングは、背骨の軸を中心とした回転運動だ。この原則が、すべてのゴルフ理論の基礎となる。この原則さえ押さえておけば、すべての理論は、理路整然と正しく理解できるのだ。
では、正しい体重移動を体感してみよう。
「ダウンスイングの骨盤の動かし方」に従って、インパクトまで骨盤を回転させる。左斜め前に骨盤が45度回転し、胸は正面を向いた形だ。このとき、体重配分がどのようになっているか確認する。
おそらく、左足に6割、右足に4割といったところだろう。
ここからがポイントだ。
実際のスイングにおいては、骨盤はさらに回転し、約90度、人によってはそれ以上回転する。
その状態を作り出してみよう。
ゆっくりと、骨盤を90度まで回してみる。
するとどうだろう。
左足に右足を寄せるような動きになるはずだ。
言い換えると、左足に体重を移動させ、右足はつま先で支えるくらいにしないと、骨盤を回転させることができないはずだ。
もう少しいうと、右足の膝が飛球線方向を向き、右足と左足の太ももが軽く接した状態になるはずだ。プロのフォロースルーを後方から見たときの、両足の太ももがぴったりそろったような状態だ。
さて、この時の体重の配分を確認してほしい。
ほとんどが左足に体重が乗り、右足にはほとんど乗っていないはずだ。
どうだろう。
実は、これが体重移動の真実なのだ。
そう、背骨中心の回転を行うことにより、左足に体重が移動するのだ。
言い換えると、骨盤の回転をスムーズに行うために、左足に体重を乗せる、ということなのだ。
体重移動の真実はひとつ
実際のスイングでは、ダウンスイングからフォロースルーまで一気に動作が行われるため、ダウンスイングを開始した直後に左足に体重を乗せることになる。
このため、ある理論では「ダウンスイング開始から一気に左足に体重移動する」という表現になる。
一方、左足への体重移動というと、あたかも「飛球線方向へ骨盤をスライドさせて体重を乗せ換える」というイメージを抱きがちである。この動きは回転運動を行えないためによくない動きであるため、この悪い動きを行わないようにするために、ある理論では「体重移動するな」と教えるのである。
ゴルフスイングは、背骨中心の回転運動。
回転運動を行うと、自然と左足に体重が移動する。
言い換えると、回転運動をスムーズにおこなうために左足への体重移動を行う。
これが体重移動の真実だ。