ゴルフスイングには、軸の概念や体重移動について、いろいろな理論が存在する。
それぞれが、違うことを言っているようにも聞こえるため、何が正しいのか混乱しがちだが、ゴルフスイングの真実である「背骨中心の回転運動」で考えると、言わんとする意味が見えてくる。
真実を見つめると、さまざまな理論の言わんとすることが見えてくる
ゴルフスイングは、背骨中心の回転運動だ。
背骨を中心とした回転運動は、すなわち、骨盤の回転を基礎とするため、骨盤の回転を素早く行うことが、ゴルフスイングの最大の肝となるが、この骨盤を素早く回転させるための動きをよくよく考えると、実はいろいろな理論がいわんとする意味が、見えてくるのだ。
「骨盤をスムーズに回転させるための膝の動きとは」で述べたように、骨盤を丸い円盤とたとえよう。
足は、円盤の円周沿いに刺さった二本の棒としてイメージする。
そして、2本の棒で、円盤を素早く回転させることをイメージするのだ。
ダウンスイングからインパクトにかけて、円盤は左に回転する。そのときの動きとしては、右の棒、つまり右足は、円周、つまり骨盤の回転に沿って左方向に押すような動きになる。
「左への体重移動」と表現するレッスンは、このことを言っている。
また「右足を蹴るように」というレッスンも、このことだ。
さらに、「右足体重でスイングする」というレッスンがあるが、これもこのことを指す。
どういうことかというと、右足で骨盤を円周に沿って左側に押す、ということは、反作用の法則で、右足には地面を押す力が働く。
この感覚は、右足に体重がのっかっているような感覚であるため、「右足体重」という言葉で表現されているのだ。
次に左足と、骨盤の左側の動き。
骨盤が左回転することにより、左足は飛球線とは逆方向に、円周に沿って押すような動きになる。
これは、「左サイドの壁」という表現で登場する。
また、左足の踏み込み、という表現も同じだ。
踏み込みとは、左足がつっかい棒のようになる状態を指すが、まさに、この左側の棒の動きを表している。
真実は一つ
ここに上げたそれぞれのレッスンの言葉は、ばらばらな事を言っているように思えるが、解き明かしてみれば真実はひとつ。
すべて、骨盤を回転させるため、ひいては、背骨中心の回転運動を素早く行うための方法を説明しているのだ。