バンカーショットでは、砂を薄くとるのが大事だとよく言われるが、アマチュアは、言われたことをやろうとしてもなかなかうまくいかない。
しかし、実は、砂を薄くとるコツをつかむのは、そう難しくない。
始めは小さなスイングから
あまりに簡単であるため、結論から先に書く。
そのコツとは、「小さなスイングで練習してみる」である。
なんだ、それだけのことか、と思うなかれ。
簡単だがこの練習は、非常に強力だ。
バンカーショットの悪夢
多くのアマチュアは、まず絶対的に、バンカーショットの練習量が少ない。
下手をすると、ほとんど練習しないまま、コースでぶっつけ本番、出たとこ勝負、ということもあり得る。
なので、バンカーにボールが入ってしまった場合に思うことは次のようなことだ。
「上手く出るかな・・。思い切り振らないとヘッドが抜けなくてボールが上がらない気がする・・。しっかり打ちこまないとホームランもしてしまいそうだし・・」
なので、なんとなく素振りをするも、どの程度の振り幅で振って良いかわからず、おっかなびっくりでスイングする。
薄く砂を取ると頭の片隅では思っていても、打つときにはすっかり忘れている。
過去のホームランの悪夢が頭によぎりつつ、トップさせまいと、しっかりと砂に打ち込んでしまう。
結果は、ザックリ。脱出ならず・・。
2度目は、最低でもバンカーからの脱出、に方針を切り替える。
大きなスイングで、力いっぱい砂を叩く。
多くの砂と一緒に、なんとかボールがでて、やれやれ。
でも、グリーンには乗っていない・・
アマチュアのバンカーショットは、たいてい、こんな感じだ。
小さなバンカーショットの練習方法
この悪夢から解放されるための簡単な練習方法が、先ほどの「小さなスイング」による練習なのだ。
この練習は、バンカーショットの練習ができるところでないとできないため、場所の確保は何としても行う必要がある。
もしなければ、バンカー練習場があるコースを選んで、ラウンド前に練習するのでもよい。
とにかく、練習場を確保するのが第一だ。
練習場に来たら、砂をならして平らにし、そこにボールをそっと置いて、アドレスをする。
さて、どうだろう。
そこからスイングするところをイメージしてみてほしい。
どんなイメージがわくだろう。
思い切り砂を弾き飛ばさないとボールが飛ばない、と思ったとしたら、悪夢に取りつかれている。
これを改善するのが、小さなショットだ。
だまされたと思って、そのボールを、2ヤード飛ばすつもりでスイングしてみてほしい。
2ヤードだから、ほんとに目の前に飛ばすだけだ。
バンカーからは出なくても構わない。
打ち方は、アプローチショットと同じで、体の回転で打っていく。
そしてその時に、よく言われるように、ウェッジのバンスの部分で、ボールの手前2センチほどから薄く砂を削りとるようにする。
たったこれだけだ。
飛距離は2ヤード。
砂を薄くとる感覚
やってみるとわかるが、本当に何も力を入れず、砂をさっと払うように体を回転させるだけで、いとも簡単にボールが2ヤード飛んでいくことが分かる。
決して打ち込む必要などない。
さらうだけでいいという感覚がはっきりとわかるはずだ。
この感覚がつかめれば、バンカーショットはできたも同然だ。
あとは、その感覚を信じて、体の回転を大きくすればよい。
そうすれば、その回転の大きさに応じて、勝手にボールの飛距離が伸びていく。
実に簡単だ。
バンカーショットは、わかってしまえばとても簡単なショットだ。
適当に打ってもそれなりにボールが飛んで行ってくれる。
大事なのは、砂を薄くとる感覚だけだ。
この感覚を掴むことができさえすれば、バンカーショットは飛躍的に上達するのだ。